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どこかの科学者が言ってたが、

人間、探し物をしている時間と信号待ちしている時間は

一生に間で何百時間にものぼるどえらい時間だと。

 

確かに探す時間が無駄だから

日頃からの整理整頓であったり、無駄なものを捨てる

努力をしているのだが、探し物はいっこうになくならない。

 

でも、その都度、人間は知恵がつくもので、

最後に探す場所を心得ている。

 

最近の私のさんざん探して「もうここしかない!」という場所は

車のトランクの奥の方である。

 

「答えはいつも奥の方、車のトランクのズーっと奥の方〜!」である。

なぜそこから見つかるかというと、車の中に無造作に

置いていたものを、急に誰かを車に乗せる時に

ガサ〜っと全てトランクに入れてしまうからである。

 

その誰かをおろしたときに、トランクから出せば

いいものを、そのまま忘れ、ゴルフバックをその上に

入れて、さらにCOSTCOで買った飲料などを積むと、

最初に入れた探し物はずっと奥の方にいってしまうという

塩梅なのである。

 

じゃあ、最初にそこを探せばいいじゃないか!と言われるが、

さんざん探しまわってから、ようやくそこを思い出すのだからしょうがない。

 

しかし、探し物が出てきたときのカタルシスといったら尋常じゃない。

「後は、ここしかない!」とピーンときて

「ここだ!」と侍が天井の賊に槍をさす勢いで

トランクをあけて奥の方から出てきたときの

満足感というか達成感といったらこりゃもうたまらんのである。

 

その昔、学生時代、東京で一人暮らししていた時

定期入れをさんざん探しまわったあげく、ゼエゼエといった息を

整え、なにやらひらめき、「ここしかない!」と

黒電話を持ち上げて、その下から見事に定期がでてきたこともある。

その喜びったら、探し物をしている時間の無駄に充分匹敵するのだな。

※え〜、当時は6帖一間に黒電話を8mくらいのコードの長さで部屋の中に随時移動させて

電話していたのだ。これが一人暮らしの醍醐味であった。ハードボイルド感があった。

 

あと、夏の終わりに腕時計が空のティッシュペーパーの箱から

ころころと見つかった事もある。

ティッシュの箱の上に置いて、気づかぬうちに箱の中に

入ってしまったのだな。

なんとまあロマンティックな話ではないか。

 

ま,考えてみれば人間、一生何かを探しているんだけど、

見つからない事もよくある話で〜

 

現実問題としては、

なくしてしまったなら、むしろ永遠に見つからない方が

いいものもあるのだが・・・

 

 

 

 

 

 

 

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